試合レポート

2000年6月25日兵庫県、高砂市総合体育館
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者 ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ) 対 WBC同級8位西岡利晃(日本・JM加古川)
  • 【ジャッジ】
    • マーティ・デンキン(アメリカ)
    • ドルビー・シャーリー(アメリカ)
    • ゲイル・バン・ホイ(アメリカ)
    【レフリー】
    • ローレンス・コール(アメリカ)
  • 1R
    西岡サウスポーからのジャブを放つ。ウィラポンはじっくりと 西岡を見る。
    そのウィラポン、いきなりの右ストレートを軽くヒットさせる。
    西岡のジャブも、軽くウィラポンの顔面にヒット。 ウィラポン、西岡ををじっくり見てタイミングよくパンチを放つ。ヒット率が 高い。
    西岡もジャブを放つがウィラポンに届かない。
    ウィラポン優勢。
  • 2R
    西岡足を使って回りながらジャブを放つ。
    西岡体を振って、フェイントをかけながらジャブ、ワンツーを打つが パンチが届かない。
    ウィラポンはあわてず、ジャブ、ストレートを、単発で打ってくる。 そのタイミングの良さは怖いがクリーンヒットはない。
    西岡の方が積極的にプレッシャーをかけるが、前に出たところ、 ウィラポンの右ストレートがヒット。
    ウィラポン優勢。
  • 3R
    西岡、ジャブを打ちながらプレッシャーをかける。
    ウィラポンの右ストレートが前に踏み込もうとする西岡にヒット。 西岡はウィラポンの正面に立っている。
    西岡、パンチの数が少ない。時折、ウィラポンの右ストレートが軽くヒット。
    ウィラポン優勢
  • 4R
    西岡、よく体をふってフェイントをかけるが、ウィラポンまったく動じない。
    西岡のパンチは踏み込みが浅く、パンチが届かない場面が多い。
    ウィラポン左ジャブから右ストレートをヒット。 西岡足を使って決定打をもらわないが、自分のパンチもふところの深いウィラポン に当たらない。
    ウィラポン優勢
  • 5R
    西岡、フットワークを使って右に回る。
    西岡、やや前方に体重を乗せ打ち気にでる。そして踏み込んでウィラポンのボディを 打つ。
    しかしウィラポン、じわりじわり西岡との距離を詰め、強い足のキックから 右ストレートを放つ。
    西岡、まともにはパンチをもらわないが、パンチの威力に明らかに押されている。 足を使ってかわす場面が多い。
    終盤、西岡、近づいてくるウィラポンに軽く左ストレートをヒットし、手を挙げて優勢をアピール。 パンチの数、威力でウィラポンか。
    ウィラポン優勢。
  • 6R
    5Rの終盤、リズムのよくなった感のある西岡。
    しかし、ウィラポン積極的に距離をつめ仕掛けてきた。
    西岡、フットワーク、パーリング、ブロッキング、ウェービングを駆使し 何とかかわすがウィラポンの攻勢が続く。 西岡はウィラポンのボディへの攻撃がほしいところ。
    西岡、ウィラポンのプレッシャーがきつく、自分の攻撃ができない。 だがよく西岡はパンチをかわしている。 ウィラポンのボディパンチが西岡にヒット。西岡は何とかかわすのが 精一杯のように映る。
    ウィラポン優勢
  • 7R
    何とか突破口がほしい西岡。
    このRは先手をとって攻撃を仕掛けようとやや体重を前方にのせる西岡。 だが踏み込みが浅いためパンチがウィラポンの顔面に届かない。
    ウィラポン、左ジャブから、右ストレートのボディを西岡にヒット。 いつの間にかウィラポンが距離を詰め、西岡が足を使ってかわす展開に。
    中盤、ウィラポンのワンツーがヒット。 西岡が打ち気に出て足を止めると、ウィラポンは慎重になり、西岡の 攻撃をいなす。
    ウィラポン優勢
  • 8R
    西岡もう少し深く踏みこんでパンチを打ってほしい。
    もう勝負をかけてもいいころだと思う。 時折、西岡が足を止めて、打ち気に出るが、効果的なパンチはあまりない。
    ウィラポンがいつのまにかプレッシャーをかけて距離を詰める展開に 戻る。 すると西岡、フットワーク、パーリングなどのディフェンスに精一杯で、自分の 攻撃する時間がとれない。 ウィラポン、足を使う西岡にボディ、左フックを放ちながら、攻勢を 印象づける。
    ウィラポン優勢
  • 9R
    西岡、なかなか突破口が開けない。
    西岡、ジャブから右ストレートをクリーンヒットする。 この試合で一番のクリーンヒットだ。
    西岡、勝負をかけ、ウィラポンのボディにもヒット。 しかしウィラポン慌てない。
    西岡の攻撃が一段落すると、またウィラポンじわりじわりプレッシャーを かけて距離を詰める。
    ここでもう1度勝負だ西岡。 西岡、左ストレートのカウンターを軽くヒットさせる。 だがウィラポンの顔色は変わらない。
    ウィラポン西岡を追い、ジャブ、右ストレートのボディをヒット。
    パンチの効果で西岡か。
    西岡優勢。
  • 10R
    ここから3R全力を尽くしてほしい西岡。
    西岡足を使ってサークリング。 ウィラポン、西岡を追い、ジャブをヒット。
    だが序盤は西岡の出入りのフットワークがなかなかいい。
    中盤、ウィラポン、右ストレート、ワンツーをヒットさせる。
    ウィラポンのボディが効いた西岡、体が丸くなる。
    西岡ピンチ。ガードが下がる。
    ウィラポン優勢。
  • 11R
    西岡ポイントでは厳しいだろう。KOするしかない。
    西岡、足を使ってジャブを放つ。だが踏み込みが浅く届かない。
    ウィラポン、じわりじわり前に出る。そして前のR有効だった ボディパンチをヒット。
    西岡もワンツーを軽くヒットさせる。
    やはりウィラポンはボディを狙っているようだ。
    距離を詰めるウィラポンに西岡パンチを打てない。 ウィラポンのワンツーがヒット。
    ウィラポン優勢。
  • 12R
    西岡KOしか勝機はないだろう。
    ウィラポンは西岡のボディにストレートを打つ。
    西岡、体重を前足に乗せる。打ち合う気だろう。 だが、ウィラポン慌てない。いつのまにか西岡は下がってしまう。
    うまいウィラポン。それでも西岡ワンツー、スリーとパンチを放ち 攻勢をとる。そして西岡の左アッパーがウィラポンにクリーンヒット。
    しかしウィラポン慌てない、まさにデスマスク。
    バランスがまったく崩れない。
    西岡優勢。
<試合結果>
  • 公式採点 115-113(マーティ・ジェンキン)、116-112(ゲイル・バン・ホイ)、116-112(ドルビー・シャーリー)の3-0で王者ウィラポンの4度目の防衛成功。
  • 私の採点
    ウィラポン
    ウィラポン1010101010101010910109118
    ROUND1R2R3R4R5R6R7R8R9R10R11R12RTOTAL
    西岡99999999109910110
    西岡
<試合後の感想>
  • 期待された日本の若手ホープ 西岡選手の世界初挑戦は王者ウィラポンのうまさに完敗だったと思う。
    西岡選手にとってはKO負けよりショックな負け方ではなかったのではないだろうか?
    自慢のスピード、テクニックが攻撃面では王者ウィラポン相手に効果をあまり発揮できなかったのだから。
    王者ウィラポンは懐が深く、パンチを放つタイミングがすばらしくよかったと思った。
    バランスもまったく崩さない。 あれだけ強く後ろ足をキックしてパンチを放っておきながら、前方に体が倒れることが ないのは膝が相当やわらかいせいではないだろうか?
    また相手が打ち気に出ると軽くバックステップし、打ち気をそらし、すぐ元通り じわりじわり相手をよく見て前にでる。 バックステップが速く、またバランスを崩さずしかも、左右に回りながらのため 追撃を食わなかった。
    西岡選手としてはもう少し、深く踏み込んだほうがパンチをもっと多くヒットできただろう。
    しかし、それはウィラポンのパンチをもらう距離でもあった。 逆にウィラポンの右ストレートを浴び倒されていた可能性も大いにあったと思う。
    それで踏み込めなかったのだろう。
    だが西岡選手のディフェンス技術は目を見張るものがあった。 フットワーク、パーリング、ウェービング等を駆使し、単発のパンチはもらっても後続打をもらわなかった。
    ただ、西岡選手は足を使いながらジャブを打っていたが、いいパンチを打つときは、足を止め、 前後のリズムでふみこんで打った場合が多かったと思う。
    対して、ウィラポンは足を止めながらも打つ瞬間にスタンスを上下に開き、自分で踏み込む幅を作っていたように感じた。
    試合中のウィラポンはまさにデスマスク。いつのまにか、西岡選手はウィラポンのプレッシャーにフットワークを使ってかわす場面が多くなっていた。
    西岡選手のこの試合を観て感じた課題は相手のパンチをかわした後、すぐパンチを打ち返すことだと思う。
    まだ若く、スター性も備えた西岡選手にまた世界タイトル挑戦のチャンスは訪れると思うので頑張ってほしい。


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